腰部捻挫は様々な交通事故で発症して、頸部捻挫の次に高い発症率となっています。自動車やバイクの運転中の事故や、歩行時や自転車に乗っている時の事故では外力のかかり方が違うので、損傷部や症状がまるで違ってきます。

様々な交通事故に考えられる原因とメカニズムを解析し、その後の症状や治療法、ストレッチ、後遺症が残存の可能性を解説していきます。

交通事故での怪我の通院日数と後遺症

腰部捻挫が発症するメカニズム

一般的にぎっくり腰は中腰姿勢での作業や行動によって発症します。原因は普段から腰部筋筋膜が緊張、硬直して柔軟性が低下し瞬間的に引き伸ばされることによって発症します。一方交通事故の腰部捻挫は外力によって発症するので、特に運転中は外力の方向によって、損傷部位や症状が違ってきます。

まず歩行中や自転車に乗車中で接触やはねられた場合は、死亡率が高く助かっても重傷で入院することが殆どです。運よく軽症の場合は飛ばされた際、体は横に回転することがあるので腰部筋筋膜が捻じれて、腰部捻挫を発症することがあります。

バイクなどの転倒や接触事故でも同じで体が横に回転することで腰部捻挫を発症します。自動車の運転中は事故で前方から衝突の場合は、死亡率が高く生存していても重傷者が多く、腰部捻挫どころではありませんが、仮に運よく軽症の場合は、前方からの外力なのでシートで体は倒れることはなく、その後前方に体は振られますが運転はハンドルを握っているので、腰部捻挫の発症率は低いです。

側面からの衝突は運転席、助手席共に横からの外力なので、体を捻る可能性があり筋筋膜の損傷を発症する場合があります。最後に一番多い後方から追突は頸部と同様にむち打ち状態になるため、衝撃が強いと腰部も同じようにむち打ち現象になり腰部捻挫を引き起こします。

むち打ち現象とは後方からから外力で体が押されたときに、一旦体は前のめりになります。その反動で今度は後方に体が反るような形で戻るのです。その現象が鞭を打った時に似ているので、むち打ちと呼ばれています。

腰部捻挫の症状

交通事故の腰部捻挫は外力の方向や事故の状況によって変わってきます。体に横の回転がかかった場合の筋筋膜の挫傷は主に捻転痛が著しく、側屈痛や圧痛が付随してきます。体を捻ったりする動作の際、特に寝返りや起き上がるなどの時に、痛みを感じるようになります。

横の回転なので腰椎のダメージは比較的に少なく、軽度の腰部捻挫で済むようです。後方からのむち打ちの腰部捻挫は個人差もありますが、重症化することがあります。腰椎狭窄症などに既になっている人などは交通事故が原因で、椎間板ヘルニアを併発する可能性があるからです。

椎間板ヘルニアを併発した場合、痛みは腰部全体に及びます。下肢や足の指先まで痺れが激しく出ることは勿論、歩行が困難になることもあるのです。むち打ちの腰部捻挫は必ず腰椎を刺激するので、腰椎に炎症が起きます。

上記のように既に腰椎に疾患を抱えている方は、交通事故の際はしっかりとした検査をすることが必要です。

腰部捻挫の検査、治療

一般的な腰痛の検査は一般的にはレントゲンだけで判断する場合がありますが、交通事故の腰部捻挫はレントゲン検査をおこなうことは勿論、CT、MRIなどの検査を必ずおこなうべきです。上記のよう場合に既に腰椎の疾患があれば腰椎ヘルニアを併発する可能性があるからです。

交通事故の腰部捻挫の治療は保存療法が最初に行う治療です。腰部の筋筋膜や腰椎が炎症を起こしているので、強いマッサージや整体などはかえって症状の悪化につながります。初期治療は安静を指示して、鎮痛消炎剤の投薬や鎮痛消炎剤を含む冷シップで患部を冷やし、電療法、温罨法などの理学療法機器を患部に当てて様子を見ます。

その後炎症が収まってくれば、軽度のマッサージなどの治療をしていきます。下肢などに痺れが出ている場合は、けん引器などの理学療法機器で腰部をけん引治療します。腰部から下肢にかけて激しい痛みがある腰椎椎間板ヘルニアは、外科手術で神経を刺激している髄核を削り取ります。

近年では内視鏡手術が一般的になり、術後1週間位で退院できるようです。

自己流ストレッチの危険性

一般的な腰部捻挫は症状が回復していく過程で、ストレッチも必要とする場合があります。しかし交通事故の腰部捻挫の場合は、ストレッチを絶対にしてはいけません。腰椎に炎症が起きているため、腰椎を刺激するような運動や、ストレッチはかえって症状を悪化する恐れがあります。

自宅ではなるべく安静を保ち、腰部がリラックスする状態で休んでいることが大切です。特に自己流や動画サイトなどの投稿動画を見て、ストレッチをするのは一番危険です。プロのちゃんとした方も確かにいますが、殆どが無責任な無資格の人達がやっているものです。

ストレッチは医師や整骨院の施術者から症状が改善してから、初めて提案されるものだけにした方が賢明です。自分でどうしてもやってみたいと思った場合でも、必ず医師や整骨院の施術者に相談して指導されたストレッチのみをおこなった方が安全です。

運動不足を解消したいのであればウォーキングや水泳がお勧めですが、これも自己判断ではなく上記のように相談して、少しずつ始めていくことが大切です。

後遺症が残る可能性

交通事故の腰部捻挫で予後が悪くて、後遺症が残ることは殆どないと言えます。何故なら腰椎椎間板ヘルニアに移行したら、もう腰部捻挫でなくなるからです。また腰椎椎間板ヘルニアの手術をした際でも、近年では痛みや痺れが残ることは稀になってきています。

外科手術の技術の向上もあり、腰椎椎間板ヘルニアの手術は内視鏡手術が主流です。余計な筋肉や血管、神経に傷をつけずに手術ができるので、傷口も小さく体への負担も少なくなりました。入院期間も少なくなることでリハビリも早く始めることができ、後遺症のリスクは格段に少なくなったのです。

後遺症が考えられるのは、交通事故での腰椎の損傷が酷く腰椎脊柱管の神経を損傷、断裂した場合は、痺れや半身不随となった場合です。また医師の指導などを無視して、交通事故患者である本人が無理な労働やスポーツなどで、症状が悪化した場合は後遺症とは言えません。

交通事故で病院の医師に腰部捻挫の診断をされた場合、後遺症は殆どないと考えられます。

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