交通事故の恐ろしさというのは、事故の際の衝撃が強ければ強いほど重い後遺症に悩まされることです。その後遺症の中には生涯にわたって影響を及ぼすものが沢山あり、その中の一つが緑内障です。この緑内障とはどんな症状なのかと、もし交通事故による後遺症で発症してしまった時にはどうすればいいのかなど対処法を紹介します。

緑内障ってどんな病気なのか

交通事故の後遺症で重症の部類に入る緑内障とはどんな病気なのかおさらいすると、眼球の中にある外の光を感じて脳に伝える視神経が傷ついてしまい視覚情報に欠損が生まれる病気のことです。この緑内障の恐ろしさは発症当初は自覚症状が全くなく問題なく見えているものが、月日が経っていくうちにだんだん目線の端から徐々に見えなくなります。

そして最終的には欠損した視神経の細胞が壊死し失明に至るため、緑内障は眼病の中でも重大な病気といえるのです。通常の緑内障は加齢と薬による影響そして先天性の疾患で、眼球内部にある水分の圧力が異常に高まることで発症します。

交通事故だと眼球近くを強く地面や壁にぶつけることによって、その事故の衝撃が目の奥にまで届いてしまうことによって視神経を傷つけてしまい発症することになるのです。

緑内障は現代医学でも治せない病気である

目の病気に関する知識が深まることで、大半の眼病は眼科を受診することで治すことができます。しかし緑内障が交通事故の後遺症で重症の部類に入るのには、残念ながらこの眼病に限っては一度発症したら現代医学では手が負えない病気に入るからです。

なぜなら眼科で治せる目の症状の範囲は、目の表面や角膜にできた傷や病気を治すまでだからです。先に言ったとおりに緑内障は眼球の奥にある視神経に裂傷が起きる事によって発症する病気であるため、現代医学では視神経を元の状態に修復する治療法や機材がないのです。

もちろん今後は再生医療であるIPS細胞の実用化で視神経が元の状態に戻るようになる可能性はあるのですが、その実用化はまだ出来ておらず完全に治すことはできない病気になります。そのため交通事故の後遺障害等級では、緑内障は最も重いクラスに入る第1級から第3級の部類に入っているのです。

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緑内障になったらどんな治療が施されるのか

緑内障を発症したら眼科ではどんな治療を受けることになるのかというと、基本的には対処療法という形をとります。現代医学では治すことはできない病気と捉えられており、この症状を発症してできることはあくまで症状が急速に進まないように遅らせるまでです。

基本的には傷ついた視神経が広がらないように、眼球の中にある水分の圧力を下げる点眼薬を1日に朝昼晩と1回ずつ点眼する形をとります。最初に処方された点眼薬で眼圧が下がったことがわかれば継続使用しますが、薬の効き目は個人差があるため効いていないと分かれば副作用が強くなるため別の点眼薬を用います。

ただ先に言ったとおりに点眼薬を用いても症状が緩和されるだけで治るわけではないので、点眼薬で手に負えなくなったら今度は内服薬を使って症状を抑え込むのです。最終的には視覚の一部が完全に欠損した段階に入ったら、レーザー手術で視神経の細胞の一部を焼き固めて進行を遅らせます。

ただ緑内障は治らない病気で失明率が高い病気といいましたが、もし初期の段階で適切な治療を受けることができれば点眼薬の使用だけで加齢によって視覚の欠損は起きますが失明することなく生涯を生きられます。

緑内障の症状が出たら医師から診断書を作成してもらい被害者請求の手続きを受ける事

交通事故の当事者になってしまった時に、もしぶつかった衝撃で顔に強い衝撃を受けた時には必ず首や肩の検査だけでなく目の検査を受けることをお勧めします。先に言ったとおりに緑内障は自覚症状が全くなく、数日たってから初めて症状が出る病気だからです。

もし事故が原因なのに、数日経ったことで原因を調べてもそれが事故で発症したのか分からなくなります。そこで事故から間もない段階で目の検査を受けて緑内障と診断されれば、その原因が断定されるので相手側から後遺障害という形で今後の治療費の請求と失明した時の生活の保障証明を受けられるからです。

まず緑内障が事故によるものが原因であるということを医師から診断書を作成してもらい、それを各自治体の自賠責調査事務所に送付します。自賠責調査事務所の役割は、医師からの診断書を基に後遺障害等級の認定を行い今後の請求の形を被害者側に知らせる役目をもっています。

請求の形は主に2つあり、一つ目は加害者側の認定保険会社が行う手続きになる事前認定と被害者側が相手側に申告せず自身で請求を行う被害者請求になります。事前認定は加害者側の保険会社に手続きを一任する申請方法であり、自賠責調査事務所が加害者に対して医師の診断書と必要書類を送付してそれを加入している事故専門の保険会社に送る形です。

この方式のメリットは当事者同士で話し合いをすると揉め事に発展する恐れがあるので、そこで当事者の代理として示談の話し合いを保険会社が代わりに行うことでスムーズに事を進めることができます。話し合いがスムーズに進んだら、保険会社が加害者に対して了承した内容を伝えて了解を得たら示談金と今後の補償金の支払いを行うのです。

ただこの方式のデメリットは、保険会社は高額の示談金と今後の補償金の支払いの金額を算出しないといけないため金額の支払いに時間がかかってしまうことです。なにより相手は示談交渉に長けているプロなので、弁護士を同席させるなどしっかりと用意して臨まないと相手の負担額を軽減される恐れもあります。

その点被害者請求は被害者が自ら手続きを行う申請方法であり、これは交通事故の被害者本人が直接加害者側の自賠責保険に後遺障害等級認定の申請を行う方法です。その流れとしては自動車安全運転センターで交通事故証明書を発行してもらい、加害者側の保険会社名を確認して連絡をします。

保険会社に連絡をすると必要書類一式が送られてくるので、何度も確認して不備なく記入したら保険会社に送り返します。保険会社はその内容を見て間違いがなければ自賠責保険事務所に送付して、自賠責保険が事故の原因と被害者の現在の状態などを確認するのです。

確認が完了したら障害者等級を決定し、その決定事項を保険会社に送付して了承したらその障害者等級を基に支払う金額を算出して示談が成立する流れになります。この方式のデメリットは書類自体が多いため記入に時間がかかってしまうことですが、書類作成が完了すれば後は相手側がすべて行ってくれるので金額の支払い期間が短いことが挙げられます。

示談が成立した後でも請求できるようにしておくこと

もし事故の当事者になってしまった時には、必ず示談が成立した後でも警察と弁護士と密接に連携して相手側と連絡が取れるようにしておくのが賢明です。それは緑内障で分かる通りに、後遺障害の中には事故直後では全く症状がなかったのに事故が起きてから数日後に現れることはよくあるからです。

示談の成立は相手側を許し今後請求しないという約束というわけではなく、示談ははあくまで自身の過失でけがをさせてしまったことに対する謝罪金という考えです。そのため今後の生活にかかわる後遺障害を患ってしまった時には、法律には示談成立とは関係せずに被害者は補償金を請求できるようになっています。

ただ時間が経てば経つほど、それが事故が原因なのかわからなくなり請求が難しくなるのは事実なので、違和感が出始めたらすぐに医療機関を受診して体の状態を確かめてもらいます。もちろん違和感があって病院を受診した際に、それが事故が原因だと分かればその医療費も相手側に請求できるので問題ないです。